夏の暑さが本格化するこの時期、体がだるく感じたり、食欲が落ちたりする方も多いのではないでしょうか?そんな時こそ、さっぱりとした味わいや食感を取り入れ、季節に合った食生活を意識してみませんか。
冷房に頼りすぎず、夏を快適に過ごす工夫として、東洋医学の知恵である「薬膳(やくぜん)」の考え方を取り入れてみるのもおすすめです。
薬膳ってなに?
薬膳とは、中国伝統医学をベースに「食材の持つ性質(五性)や味(五味)」を活用し、体調や季節に合わせた食生活を提案する食養生のことです。
薬という名前がついていますが、薬膳は「日常の食材」で作るのが基本です。特別な材料が必要なわけではなく、スーパーで手に入る食材でも立派な薬膳になります。
夏は「暑邪(しょじゃ)」という外的ストレスが体に負担をかけ、水分や気(エネルギー)を消耗しやすい季節。体の熱を穏やかに冷ます食材をうまく取り入れることが、元気に夏を乗り切るポイントになります。
薬膳における五性とは?
薬膳では、食材の性質を「温・熱・平・涼・寒」の五性に分類し、体質や季節、体調に応じて使い分けます。
「温」は身体をじんわりと温め、冷え性や寒さによる不調に効果的。代表食材は生姜、ネギ、シナモンなど。
「熱」はより強く体を温め、冷えによる痛みや風邪の初期などに向きます。唐辛子、胡椒、ラム肉などが該当します。
「平」は寒熱の偏りがなく、誰でも安心して摂れる性質。米、ニンジン、じゃがいもなどがその代表で、体を調和させる役割を持ちます。
「涼」は体の熱を穏やかに冷まし、のぼせや口の渇き、ニキビなど熱性の症状に適しています。緑豆、キュウリ、トマトなどが含まれます。
「寒」は強く体の熱を冷ます性質があり、炎症や熱を持つ症状、便秘などに取り入れます。苦瓜、スイカ、セロリなどが代表的です。
これらの五性を理解し、季節や体調に応じてバランスよく取り入れることが、薬膳の基本です。
夏におすすめ!涼を感じたい時の食べ物7選
薬膳では食材を「温・熱・平・涼・寒」の5つに分類し、その中でも「寒性」「涼性」の食材が体の熱を冷ましてくれます。
- きゅうり
- トマト
- スイカ
- 豆腐
- 苦瓜(ゴーヤ)
- 緑豆(りょくとう)
- ミント(ハッカ)
食べすぎ注意!?体を冷やしすぎない工夫も大切
体を冷やす食材ばかりを摂りすぎると、胃腸が冷えて体調を崩すこともあります。冷え性の方は、生のままではなく火を通して食べることや、温性の食材(しょうが、ねぎ、にんにく など)と組み合わせるのがおすすめです。
たとえば、きゅうりとしょうがの和え物、トマトと豆腐のスープ(温製)などは、さっぱりしつつも体を冷やしすぎない工夫が感じられる夏向けの一品です。
食べ物で整える夏の健康習慣
夏は冷房、冷たい飲み物や食べ物と、日差しによる暑さが混ざり合いやすい季節です。
薬膳では、五臓六腑のうち「心」と「脾(ひ)」に気を配る食材選びが大切とされています。
さっぱり食べやすく、旬の恵みを活かした食生活で、夏を心地よく過ごしましょう。
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