2013年、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことをきっかけに、世界で日本食ブームが起こり、海外から多くの旅行者が日本食を求めて来日するようになりました。
そして2024年12月5日には、日本酒や焼酎などの日本の伝統的な酒造りがユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
そんな日本食や酒造りの土台となる存在が「麹(こうじ)」です。
「麹」と聞くと発酵食品に入っているものや、お肉を柔らかくするものというイメージを浮かべる人もいると思いますが、具体的にはどんなものか分からないという方も多いのではないでしょうか?
麹は日本食のおいしさの秘訣であり、味だけでなく腸活や美肌など健康や美容にも良いとされています。
今回は、麹の魅力についてたっぷりと紹介します。
麹とは?「麹」と「糀」の違いは?わかりやすく解説
麹(こうじ)とは、米や麦、大豆などの穀物に麹菌(カビの一種)を繁殖させたもの。麹菌は湿度の高い東アジアのみに繁殖する珍しい菌です。
カビの一種と聞くとびっくりするかと思いますが、カビにも良いカビと悪いカビがあり、麹菌は良いカビです。
日本酒や焼酎の芳醇な香り、醤油や味噌のコクを生み出すなど、日本食の特徴的な味の基盤を作る大きな役割を、麹菌が担っています。
また、スーパーなどで「麹」と「糀」それぞれの「こうじ」を使った商品を目にするかと思いますが、それぞれ違いがあります。
「麹」は、麦を用いて稲に包んで生まれる菌で、中国が発祥だと言われています。麹は麦でできた菌だけでなく、麦麹、豆麹、米麹などに使われる言葉です。
麦だけでなく、大豆や米など穀物から作られた一般的な「こうじ」を表す際に使われます。
一方、「糀」は、米を用いて蒸した米粒に白いふわふわの菌糸が生えた菌で、その様子から「米に花が咲いている姿」=「糀」という漢字を使った日本発祥の菌だといわれています。
糀は主に米を使った菌を表し、米を原材料で使った商品などに対して「糀」が使われます。
麹菌の発祥と種類・日本独自で発展した国菌「コウジカビ」
麹は湿度が高い東アジアと東南アジアでしか生息しない珍しい菌です。
起源は紀元前の中国。米や麦などの穀物に菌を繁殖させて作った餅麹(もちこうじ)といわれています。
この餅麹から東アジアを中心に発展し、日本では弥生時代に麹が伝わり醤油や味噌、甘酒など日本独自の調味料として発展しました。
もともと中国で生まれた麹ですが、日本の麹は作り方や環境が異なるため、違うものになっています。
中国では、穀物を粉にして水を加え練り固め、そのまま置くことで自然に繁殖する「クモノスカビ」という麴菌を作ります。
一方、日本の麹菌は蒸してほぐした穀物に麹菌を散布し、「コウジカビ」を加えて麹菌を繁殖させます。
コウジカビは日本独自の菌で、2006年には日本醸造学会が「国菌」に認定しています。
また、麹菌も「黄麹菌」、「白麹菌」、「黒麹菌」、「紅麹菌」、「鰹節菌」の5種類あり、発酵させる食品に応じて使い分けられています。
そのなかでも、黄麹菌はデンプンの分解力が強いため、日本の発酵食品でよく使われています。
さらに、土地によっても麹づくりに向き不向きがあり、京都は山々に囲まれてた環境で湿度が高く、発酵に必要な「ちょうどいい湿気」と鴨川などの水源が多かったため、麹づくりに最適な環境でした。
平安時代に都が京都に移ったことをきっかけに、人々が集まり日本の麹作りが発展したといわれています。
美容や健康に良い麹パワーとは?
麹菌には様々な働きがあり、麹が入った発酵食品には健康や美容にもうれしい要素がたくさん備わっています。
①腸活にいい
麹には酵素のパワーがあり、酵素のパワーででんぷんを分解してオリゴ糖に変えていきます。
オリゴ糖は腸内環境を整えてくれる善玉菌のえさで、善玉菌を増やすサポートになり、より良い腸内環境をキープしてくれます。
また酵素のおかげで食べ物が分解された状態で摂取でき、消化と栄養素の吸収がやりやすくなります。
仕事や家事で毎日頑張っているという方や、なんだか胃の調子が悪いという方には甘酒がおすすめです。
甘酒は「飲む点滴」とも言われており、酵素のパワーはもちろん、甘酒にはビタミンB群がたくさん入っており疲労回復をサポートしてくれます。
②美肌のサポートになる
麹には、肌の保湿力を高めて肌の新陳代謝などを手助けするビタミンCやビタミンB群がたくさん含まれています。
そのほかにも、麹にはミネラルや数十種類の酵素が入っていて、疲労回復や美肌に良いとされるビタミンやアミノ酸なども多く含まれます。
麹には美肌をアシストする働きがあることから、美容業界でも注目され、食品だけでなく麹を取り入れたスキンケア商品も増えています。
海外も注目!日本人の食文化や美容と健康を支える麹
麹は、古来から私たち日本人の食文化の基礎を作っただけでなく、健康や美容を保つパワーを備えた特別な存在です。
最近では、大阪だけでなく東京や京都などでも、「甘酒」や「発酵」をテーマにしたおしゃれなカフェやショップが増えています。
日本独自の麹が持つ奥深さや魅力は、welalaのコンセプト「ココロ、カラダ、地球に良いものを提供する」にもつながることから、麹関連の商品を扱うようになりました。
麹を使った味噌や醤油、ポン酢などの調味料だけでなく、手軽におやつ感覚で食べられるグラノーラや麹を使用したスキンケア用品など、麹関連の商品を幅広く扱っています。
麹の料理だけでなく、美容や健康にも興味がありましたら、ぜひ一度堀江のお店までお越しください。
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